アクアリウムにおいて重要かつ比較的頻度の多い作業である「水換え」。アクアリウム初心者が、水槽管理のハードルを高く感じてしまう作業の代表格です。しかし、水換え作業は慣れれば数分で終わります。必要な道具も安価です。この記事では水換えのやり方や効率的な手順、便利な道具について解説します。

記事を読むと、水換えが簡単でストレスのない作業だと理解できます。水換えは「カルキ抜きした水を準備 → 水槽の水を1/3抜く → ゆっくり新しい水を注ぐ」の3ステップです。ポイントをおさえれば初めての水換えでも問題はおきません。水換えが不安で水槽購入に踏み切れていないひとは、ぜひこの記事をお役立てください。


水換えとは水槽の水を一部またはすべて入れ替える作業

水換えは「良好な水質維持のために定期的に行うべき作業」です。水槽内の水には、エサの食べ残しや魚のフンが分解されて有害なアンモニアや硝酸塩がたまります。放置すると、水質悪化で魚が弱ったり、コケが大量発生したりする原因となります。1〜2週間に1回、水槽の1/3程度の水を換えるのが基本です。

水換えの正しい手順を2パターン解説

水換えには「基本手順」と「水換えと掃除を同時進行する手順」があります。それぞれの方法について解説します。

水換えの基本手順

水換えの基本手順は以下のとおりです。

  1. 「カルキが抜けている・水温が一致している」状態の水を準備する
  2. クリーナーホースやコップで水槽の水を1/3程度抜く
  3. 手をそえてゆっくり新しい水を注ぎ入れる(魚を驚かせないように)

基本手順を守れば、生き物や水草にダメージを与えずに水換えできます。それぞれの基本手順のコツやポイントについて深堀りして解説します。

①「カルキが抜けている・水温が一致している」状態の水を準備する

新しい水には液体のカルキ抜き剤を使用してください。カルキ抜きが迅速・確実に完了するからです。液体のカルキ抜き剤は100円ショップで購入可能です。バケツにはった水を1日放置するカルキ抜きの方法は避けてください。1日ではカルキ抜きが完了しない可能性があります。

水槽にいれる新しい水は水温計を使い、水槽内の水温と一致させましょう。水生生物は変動物であり、少しの温度変化にも敏感だからです。寝る前に新しい水をバケツに準備しておくと、水槽とバケツの水の水温が近づくため、簡単な調整で水温を一致させられます。

②クリーナーホースやコップで水槽の水を1/3程度抜く

清潔であればどんな道具で水を抜いても問題ありません。30cm以上の水槽であれば「クリーナーホース」という道具を使うのが簡単かつ現実的な方法です。バケツに直接水槽内の水を排出しましょう。換える水量は1/3が基本です。水の濁り具合や水質検査キットの結果次第では、半分程度まで水換えが必要な場合もあります。

③手をそえて新しい水をゆっくり注ぎ入れる

無造作に水槽に水をいれると、大きな水流が発生します。小魚や小さなエビは激しく舞い上がるほどです。新しい水をいれる際、バケツの注ぎ口に手をそえるだけで水流が分散され、強い流れは発生しません。水槽の生き物たちにストレスを与えないためにも、新しい水はゆっくりやさしく流し入れるようにしましょう。

水槽内の掃除を兼ねた水換えの手順

水槽内の掃除とは、水槽内壁のコケ落としと底砂掃除を指します。コケが目立ちはじめた時点が掃除する目安です。水槽内の掃除と水換えは、同時にやることで効率よく水槽管理できます。水槽内の掃除と水換えを同時におこなう手順は以下のとおりです。

  • 水槽内に手を入れても水があふれない程度の水を抜く
  • 水槽内のコケをやさしく落とす
  • コケ落としで舞い上がった汚れと水をいっしょに1/3ほど抜く
  • カルキ抜きし、水温をあわせた新しい水を入れる

コケ落としするとかなりの量の汚れが舞い上がります。底砂にエサの食べ残しや生き物のフン、バクテリアの死骸がたまっているからです。コケ落とし直後に水換えをすれば、舞い上がった汚れといっしょに効率よく底砂掃除できます。


水槽サイズ別の適切な水換え頻度

水換えは「水槽サイズと飼育環境に応じて、1〜2週間に1回」が目安です。水槽の大きさや魚の数によって水槽内の汚れ方は大きく変わります。大きな水槽は水量が多く水質が安定しやすい反面、水量の少ない小型水槽は水質悪化が早いのが特徴です。水槽サイズ別の水換え頻度は以下のとおりです。

  • 金魚鉢など(5L未満):2〜3日に1回、コップ1杯程度交換
  • 30〜45cm水槽(20〜35L前後):週1回、1/3程度交換
  • 60cm水槽(60L前後):2週間に1回、1/3程度交換

水換えする際の注意点

1度に大量の水換えは避けてください。多くても半分までです。大量に水換えすると、アンモニアや亜硝酸塩の濃度が下がるのと同時に、バクテリアの数も激減します。バクテリアの激減は、水槽内の環境を大きく悪化させる原因です。バクテリアが激減すると、生き物のフンやエサの食べ残しを分解できません。

フンやエサの食べ残しが分解されないと、アンモニアや亜硝酸塩が水槽内の水質を汚染します。水質汚染は生き物は大きなダメージを与え、最悪ショック死につながります。水換えは「少しずつ・定期的に」を徹底してください。


水換えに必要な道具一覧

水換えに必要な道具を以下の表にまとめます。

🐠 水換えに必要な道具一覧
道具名用途推奨ポイント
クリーナーポンプ/ホース水槽の水抜きと底砂掃除「水作 プロホース」は掃除と水換えを両立
バケツ(水槽用水容器)抜いた水と新しい水を入れる10L以上×2個が便利
塩素中和剤(カルキ抜き)水道水の塩素を中和液体タイプのカルキ抜き剤1択
水温計新しい水と水槽の水温をあわせる新しい水の水温チェックに必須
タオル水こぼれ対策・水槽保護2枚あると安心
コケ取り用具水槽ガラス面のコケ除去メラミンスポンジや樹脂製のヘラ

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水槽管理に便利なおすすめアイテムを紹介

水槽管理全般に便利な道具を紹介します。

クリーナーホースは「水作 プロホース」1択

水換えに使う道具で最初に選ぶべきは「水作 プロホース 」1択です。安価な上に、底砂掃除と水を抜く作業を同時におこなえます。排水量の調整や分解清掃可能で、S・M・Lサイズから選べるのも秀逸です。所有する水槽が大型でなければ、Mサイズがおすすめです。底砂がつまることなく、スムーズに水を抜けます。

バケツは「大和プラスチック グリーンバケツ テン」

バケツに目盛りがついているため、カルキ抜きなどの水質調整剤を使う際に便利です。計量カップを使わず、バケツひとつで水槽に入れる水を作れるからです。水換えで抜いた水の量も把握できます。注ぎ口も水がスムーズに流れるようになるよう工夫されているイチオシのバケツです。

水槽内のコケ落としには「INOUE ジラコヘラ」

「INOUE ジラコヘラ」はアクアリウム用ではないものの、しっかりコケを落とせます。サイズ展開も豊富で100円台から購入可能。所有する水槽サイズによって選びましょう。プラスチック製なので、ガラス・アクリル問わず水槽を傷つけずにコケ落としできます。

よくある質問

よくある質問について回答しました。よくある質問は以下のとおりです。

  • 水換え時にでてくる白いもやもやした浮遊物はなに?
  • 水換えとフィルター掃除は同時にしていい?
  • 水換えした翌日に魚が死んでしまったのはなぜ?

水換え時にでてくる白いもやもやした浮遊物はなに?

水換えや水槽の掃除をする際に白いもやもやとした浮遊物が発生するのは、以下の理由が考えられます。

  • バクテリアの死骸や有機物:ろ過バクテリアが十分に増えていない場合、水中の有機物や、定着できなかったバクテリアの死骸が原因で水が白く濁ることがあります。
  • 微粒子の舞い上がり:底床材(砂利や砂)の微粒子が水中に舞い上がって濁りの原因になります。時間がたてば落ち着きます。
  • バクテリアの急増:バクテリア剤で急激にろ過バクテリアの数を増やした場合、定着できずに死んでしまうバクテリアの数もそれなりにでます。死んでしまったバクテリアが多いと白濁りの原因となります。

バクテリア不足が原因の白いもやもやは、水質悪化のサインです。バクテリア不足の対処法は、バクテリア剤の使用やエアレーションを強めることです。迅速にバクテリアを増やす対策をほどこしましょう。

水換えとフィルター掃除は同時にしていい?

水換えとフィルター洗浄を同時におこなうのは避けてください。水槽内の環境を整えるバクテリアの数が激減するからです。底砂やフィルターがバクテリアの主な定着場所です。フィルター洗浄する際は、水換えの1週間後にすれば問題ありません。

水換えした翌日に生き物が死んでしまったのはなぜ?

水換え後に生き物が死んでしまう原因を以下の表にまとめます。

🐠 水換え後の魚の死亡原因と対策
原因詳細対策
水温ショック・pHショック 致命的水換えによる水質・水温の急変は生き物に大きなダメージを与える。特に水温の急変は熱帯魚の命取りになる可能性が高い。新しい水と水槽の水温を必ず一致させてから水換えをおこなう
塩素(カルキ)による中毒 重要水道水中の塩素は生き物にとって有害な成分。カルキ抜きを怠ると生き物が体調を崩す原因となる。カルキ抜き(塩素中和剤)を必ず使用する
過度な換水量 致命的水質の大きな変化は魚にとってストレスとなり、環境への適応が困難になる。1回の水換えで全水量の半分以上の交換は避ける
バクテリア減少による水質悪化 緊急フィルターの過度な洗浄でろ過バクテリアが激減し、アンモニアや亜硝酸塩が蓄積して生き物が中毒を起こす。水換えとフィルターの同時洗浄を避け、水質検査でアンモニア・亜硝酸塩を確認

生き物は体調や環境によって突然死んでしまうこともあり、すべての死因を特定するのは不可能です。まずは自分にできる対策を実施して、できることから改善し、解決を目指しましょう。


水換えは生き物が元気にすごすために必要な作業

水換えは、水槽管理の中でも重要かつ定期的におこなうべき作業です。水換え時に意識するポイントは以下のとおりです。

  • 定期的に(1〜2週間に1回)
  • 少しずつ(1/3程度)
  • ていねいに(水温をしっかりあわせるなど)

上記のポイントを守れば、初心者でも健康に生き物を育てられます。水換えは難しくありません。しっかり基本をおさえ、長くアクアリウムを楽しみましょう。